着物の各部の名称は?
着物は、前身頃や衽(おくみ)、後身頃、衿(えり)、袖といった部位を縫い合わせて仕立て上げており、それぞれの部位の箇所を指す名前が細かく決まっています。
◆一番重要な部位
- 裄(ゆき)…後ろの衿の付け根の背縫いから袖口までの長さ。
- 身丈…背縫いの長さ。
- 着丈…長襦袢や男性用の着物など、おはしょり無しで着る着物の長さ。
◆前、後身頃や衽の部位
- 前身頃…前の脇の縫い目(脇縫い)から衽までの部分。前身頃の裾の部分の幅は前幅という。
- 衽(おくみ)…前身頃についている重なる部分の布。衽の裾の部分の幅は衽幅という。
- 衽丈…剣先から裾までの長さ。
- 衽下り…前身頃の長さ(身丈)から衽丈を引いた長さ。
- 合褄幅(あいづまはば)…衿の縫い付けからすぐ下の衽の幅。衽幅より少し短い。
- 剣先(衽先)…前身頃、衽、衿の縫い目が集まる点の部分。
- 衿下…衽の衿先の縫い付け位置から裾までのこと
- 褄先(つまさき)…衿下と裾の角のこと。
- 身八つ口(みやつくち)…女性用の着物に限り、身頃と袖の縫い合わせの下の身頃側にある開いた部分。
- 後身頃…後ろの脇縫いから中心の縫い目までの部分。後身頃の幅は後幅という。
- 背縫い…左右の後身頃をつなぎ合わせた中心の縫い目。
- 肩幅…袖の縫い付け位置から背縫いまでの長さ。
- 衿肩あき…衿を付けるために裁った衿ぐりのこと。
- 繰越し…衿肩あきの衿ぐりの深さのこと。
- 肩山…身頃と袖を縫いつなげている肩の部分。
◆衿
- 衿…首回りの細長い布のこと。幅は衿幅。
- 掛け衿…衿の中心から生地が重なっている部分。
- 地衿…掛衿より下の部分。
- 衿先…地衿の一番下の部分。
◆袖
- 袖丈…袖の長さ。
- 袖口…袖の手首が出る部分。
- 袖幅…袖の幅。
- 振り…袖が身頃と縫いつながっていない開いた部分。
- 袖付…袖が身頃と縫い付けてある部分の長さ。
◆裏地
- 胴裏…袷の着物の裏地にあたる背中や胸周りにくる白い布。
- 裾回し…袷の着物の裏地で腰から下の裾のまわりにある布で、八掛(はっかけ)の部分。
- 居敷当て(いしきあて)…単衣の着物につけるお尻の部分を補強する布のこと。